視点ユニット
NTTインターコミュニケーション・センター(ICC)
エマージェンシーズ! 022
2014.6.21 - 2014.8.31
通常わたしたちが映像を見るとき,それを撮影したカメラ自身がどのような状況にあるか,見ている映像からだけではとらえることができません.
これらの作品では,カメラに角度計やメジャーといった測定器,計量器を固定した撮影器具を作って撮影されています.
それによって,計測器自身はほとんど動かず,撮影することのできなかったカメラ自身の状況を,ただ数値としてだけ映像に表示することができるようになります.
ひとつは,滑車のついた箱を,天井からぶらさがった縄を引っぱり持ち上げると箱が傾き,箱の反対側にある角度計だけが映されたディスプレイに,箱の傾きに伴って角度計の針が変化する様子が映し出されます.
もうひとつは,レールの上に乗った箱を押したり引いたりして動かすと,メジャーの数値だけが映されたディスプレイに,その動きに連動して画面のメジャーの数値の部分が伸びたり縮んだりする様子が映し出されます.
これらの作品は,装置自体はブラックボックスであるために,映像として数値だけが表示され,物理的な動きと,表示される数値との間の因果関係を示しています.
また,実作のための実験として制作された,映像に映る物をカメラがとらえたまま計測するもの,見えない部分の情報を数値として測定するものの二つのパターンの映像を展示しています.[ICC websiteより転載]